
ヘッドホンの差し替えとボリューム調整が面倒

ヘッドホン収集癖のおかげで、自分的には無調整で満足できる音質で再生されるヘッドホンが3種類集まりました。普段はその辺に転がしていますが、音楽を聴く際につなぎ替えたり、ボリュームを調節したりします。
ただし、それが少々面倒に感じます。ボリューム調整は「ガリ防止」のためにもやったほうが良いので許容できますが、つなぎ替えは面倒です。
なので、ヘッドホン毎に専用のオーディオ・デバイスを用意することにしました。現在、PCには、オーディオ・インターフェース(USB)、オーディオ・インターフェース(Firewire)、USB-DACの3つのオーディオ・デバイスが接続されています。
Windowsのオーディオ事情はいろいろと制限がある
記憶に間違えなければ、USB規格では1つのPCに接続できる周辺機器は最大で127台だと言われています。自分のように趣味でたくさんのオーディオ・インターフェースを持っていれば、オーディオ・インターフェースを何台も接続して「同時に使ってみよう」と思ったりします。
で、実際に接続してみると、確かに接続して周辺機器として認識はされるんだけど、同時に使えると思いきや、そういうわけにはいかないことがわかります。
Windowには「1つのアプリでは1つのオーディオ・デバイスしか使えない」という制限があります。DAWソフトで多チャンネル・レコーディングをやろうとしてオーディオ・インターフェースを同時に2台とか使おうとしてもできないのはこのためです。
まぁ、例外はあります。最近の動画編集ソフトとか配信ソフトなどでは、複数のオーディオ・デバイスを同時に使えるようになっています。ゲームをプレイしながらゲーム音声にマイクで実況音声をミックスして、それをネットにライブで音声を流す、なんてことが可能ですね。
「音楽を聴いて楽しむ」というのは「1つのアプリでは1つのオーディオ・デバイスしか使えない」というルールに準拠する使い方なので問題はないですが、一応気にしておいたほうが良いです。
Windows環境では無線はダメ
Winodws環境で音楽を楽しむのには、外部スピーカーやヘッドホンやイヤホンを使うことになるかと思います。
BluetoothスピーカーやBluetoothイヤホンなどがあるので、Bluetooth(無線)でという選択肢もあるわけですが、Bluetooth規格ではオーディオ・データが圧縮されるのと、レイテンシー(発音の遅れ)があるため、動画を伴う音声ではマズイです。自分のように、しょっちゅうYoutubeを観る使い方だと、レイテンシーでクチの動きと実際の音声が合わないのは致命的ですね。
あと、長年、不定期な音途切れ現象に悩まされていて、オーディオ・デバイスのバッファ調整とか、PC交換、OS再インストールなどあらゆる対策をしてみたものの効果が無くて、ネット記事で見かけた「OSのネット接続の設定で無線デバイスを全部無効にする」を実行したら、やっとその問題が解決された、という経験があります。なので「Bluetoothは無いな」と。
最近のPCのオーディオ事情は面倒くさい
最近のPCでオーディオ機器を有線接続するとなるとなかなか厳しいものがあります。特にノートPCでは「PHONES」端子が廃止されて「HEADSET」に置き換わっています。音声チャットができるように従来の「MIC」と「PHONES」端子が統合されてしまいました。一応、イヤホンとかは接続して使えるはずですが、片耳聴こえないなどのトラブルの話はよく見かけます。
HEADSET端子で正しくイヤホンやヘッドホンを使うためには、4極–>3極変換プラグなどを使用する必要があります。今のPCは気軽に音楽を楽しめないのです。
Windows環境で高音質を楽しむ方法、外付けオーディオ・デバイスが必須
というわけで、Windows環境でまともに音楽を楽しむためには、どうしても外付けのオーディオ・デバイスが必要になります。また、複数のオーディオ・デバイスを使う場合、お互いが干渉しないように配慮する必要があります。
ウチの場合、USBではASIOで動作するオーディオ・インターフェースは1つだけ、FirewireでもASIOで動作するオーディオ・インターフェース1つだけです。これならばお互いが干渉することはないです。
で、比較的自由に使えるのがASIOではないオーディオ・デバイスですね。これはPC内蔵の「High Definition Audioデバイス」というやつと、ビデオカードの「NVIDIA High Definition Audio」という2つのオーディオ・デバイスが既に使われています。そこへ、今回購入した「USB-DAC ヘッドフォンアンプ」を追加してみました。

このUSB-DAC ヘッドフォンアンプの特徴
(1)ファイバ/同軸入力入力サンプリングレート:96KHZ / 24Bit
(2)PC-USB対応オペレーティングシステム:XP / W7 / W8 / W10 / MAC / linux
(3)アンプ出力最大電力:100mW 32Ω負荷;動作電圧:DC 5V
(4)ヘッドフォンマッチングインピーダンス:16〜200Ω
(5)周波数応答:20Hz〜20kHz(±3dB); シグナル対ノイズ比:≥105dB
このUSB-DAC ヘッドフォンアンプの厳しい点

(1)USBバスパワーではない。
付属のmicroUSB–USB Type-Aのケーブルを使ってUSB給電してやる必要があります。本体のUSB Type-B端子とPCのUSB端子を接続しただけでは動作しません。上位機種のDAC-A5にはACアダプターが付属していますが、本機にはACアダプターは付属していません。お使いのPCのUSB端子を2つ消費して2本のUSBケーブルを接続するか、自分でUSB-ACアダプターを用意する必要があります。
USBバスパワーで動作するような設計にすれば良いのにと思います。
(2)日本語取扱説明書が無い。
付属の取扱説明書は「英語」と「中国語」だけ。「使い方なんて見ればわかるよね?」っていう人向けです。
(3)ボリュームつまみは電源スイッチ兼用
大きなつまみはアナログボリュームで一番左端まで回すと「カチッ」と電源が切れるタイプです。場末の携帯ラジオじゃないんだから安っぽいボリュームスイッチはやめて欲しいですね。
(4)ASIOでは動作しない。
ASIOドライバは用意されていない。WASAPIで動作する。ASIO4ALLは試していないが、あれはWASAPIにスキンかぶせてASIOっぽく見せてるだけみたいなので、実質WASAPIらしい。
このUSB-DAC ヘッドフォンアンプの便利な点

(1)音質は実用にして十分。
低音と高音のトーンコントロールが付いていてバイパスできないので音質良くないというYoutubeでのレビューがありましたが、自分では致命的なほどの音質劣化は感じられませんでした。目隠しテストしたらたぶん判別できないです。このトーンコントロール機能は高音のきついヘッドホンの音質を調節して聴くには便利かと思いました。。
(2)普通にDACとして使える。
USBバスパワーではないので、USB接続されていないと使えない、とかはない。コアキシャルあるいは光デジタルのオーディオ入力であれば「スタンドアロン」でヘッドホンアンプとして使える。
スタンドアロンのDACとして使えるようにするために電源供給をわざわざ別にしてあるんだということを理解しました。
(3)接続に必要なケーブルが付属している。
USBケーブルとDC電源ケーブルだけで十分だとは思いましたが、光デジタルのケーブルも付属していました。あと写真には載ってませんが「3極プラグを4極プラグ」に変換するやつが付いてきました。「4極プラグを3極へ変換する」ならヘッドセット等を本機で使えるようにという配慮なんだとわかりますが、逆ですからね。どうしろと?単独で買おうとすると割高なのでありがたいとは思いますが。
AIYIMAについて
Amazonでよく見かけるAIYIMAのオーディオ製品だが、「AIYIMA」はブランド名ということらしい。
一応ホームページもあるが、中国企業にもかかわらず、中国語表記が無い。日本語表記は怪しい日本語だし、まともなのは英語ぐらいか・・・。
で、本社は中国の深センにある。
深圳市壹马科技有限公司
广东省深圳市龙岗区布吉坂田街道南坑社区五和南路41号
和磡工业区 7号棟4楼
ホームページに表記されていた英語の住所を頑張って中国語に置き換えて「百度」で検索して見つけた。ブランド名「AIYIMA」(アイイーマ)の「イーマ」(壹馬)が社名。「愛壹馬」(アイイーマ=イーマ大好き)みたいな感じかも知れない。
会社設立は2018年10月17日。この「和磡工業区」(フーカンこうぎょうく)というのは工業団地みたいなところで、いくつかの建物が集まっているが、中国にしては珍しく各建物の形は統一されていなくて、統一感の無い適当な建物ばかり。イーマは7号棟の4Fとのことだが、百度で調べてもよくわからなかった。おそらくこのような建物じゃないかと思う。

なんか町工場みたいな感じ。各パーツは他所から仕入れて、最終組立だけここでやってるんじゃないかなぁ・・・。
USB-DAC ヘッドフォンアンプ導入のその後
机の左側に無造作に置いて使っています。モニター用のヘッドホンはやたらと高音がきついので、本機のトーンコントロール機能で高音を下げるととても聴きやすい音になります。また低音が不足気味のヘッドホンは低音を増強してやるとなかなか良い感じになります。トーンコントロールを搭載したヘッドホンアンプは珍しいので本機は大変便利です。
下記に商品のリンクを貼っておきます。興味のあるかたはご覧になってみてください。