【audio-technica プロフェッショナル モニターヘッドホン ATH-M70x】オーディオ・テクニカのモニター用密閉型ヘッドホンのフラッグシップモデル


高音質な密閉型ヘッドホンを求めて・・・

 あいも変わらず「高音質な密閉型ヘッドホン」を探しています。
現在使っている密閉型ヘッドホンに大きな不満があるわけではなくて、より高音質なモノがあれば使いたい、というただそれだけです。


モニター用の密閉型ヘッドホンと言えばコレ

 スタジオで使われているモニター用の密閉型ヘッドホンの定番と言えば、このMDR-CD900STです。自分も使っています。
ただし、音質は自分が非常に苦手とする傾向のキャラクターだったりします。ぶっちゃけ「嫌な音」です。

 MDR-CD900STは各楽器の音が分離して聴こえます。そのため「音の欠点」をしっかり認識できるので、モニター用ヘッドホンとしては十分に役目を果たしてくれます。すごくクセの強い音なので、音楽鑑賞用にはお薦めしません。


前から気になっていた密閉型ヘッドホン

 私が現在メインで使っているのはAudio-TechnicaのATH-AVC500という機種です。私の耳には低音から高音までバランス良く聴こえて装着感も楽なので非常に気に入っています。ただし、あくまでもリスニング向けの比較的お手軽価格帯の機種であり、音楽制作で使える本格的なプロ仕様のヘッドホンに憧れがありました。

 今回ご紹介するATH-M70xは同社のモニター用ヘッドホンのフラッグシップモデルで、いつかは手に入れたいと思っていた密閉型ヘッドホンの一つです。
私にとってはなかなか「お高い」商品でしたので、長らく後回しになっていましたが、先日思い切って購入致しました。


ATH-M70xと専用ソフトケース

この密閉型ヘッドホンの特徴

(1)エンジニアに捧ぐ“Mシリーズ”フラッグシップモデル 超高解像度再生でレコーディングやミキシングに最適。

(2)大口径の強磁力φ45mmCCAWボイスコイルドライバーにより定位感に優れた超高解像度再生を実現。

(3)遮音性を高める楕円形状のイヤカップを採用し長時間使用でも快適なモニタリング。

(4)新設計イヤパッド、ヘッドパッドで高耐久性と快適な装着感を両立。

(5)ハウジング、アーム、スライダーには不要な振動を抑制する堅牢なアルミニウムを採用。


この密閉型ヘッドホンの厳しい点

(1)高音が非常にキツイです。
 鼓膜に突き刺さる感じの高音です。大音量で長時間聴くと確実に耳がやられます。

foobar2000のEQでATH-M70xの音がフラットに聴こえるように調整してみた

 foobar2000のグラフィックイコライザで調整するとこんな感じです。EQ調整後は聴きやすい高級感のある音になります。
「エージングで音質が良くなるはず」と期待される方がいらっしゃるかも知れませんが、エージングでの音質変化はそれほど大きくなくて、このEQの特性にまでエージングが進むということはあり得ないです。なので、長時間のリスニングではEQ補正は必須ですね。でないと耳をやられます。

(2)本体差し込み側のプラグが細すぎて心配。
 流行りの「リケーブル」に対応。本体差し込み側のプラグが細すぎて、すぐ折れてしまいそう。

(3)L/Rの表記が見えにくくてわかりづらい。
 ケーブルがある側が「左」という「常識」が通用するヘッドホンなので、あまり問題にはならないのかも知れません。

(4)お高い。
 自分の期待とは違う方向性のヘッドホンに対して、このお値段はねぇ・・・


この密閉型ヘッドホンの便利な点

(1)装着感は良好です。
 普段はATH-AVC500に採用されている「フリーアジャストヘッドサポート」という装着感が非常に楽なヤツに慣れてしまっているのですが、ATH-M70xも装着感は楽でした。

(2)リケーブルに対応。
 ケーブルも3種類付属しています。私はカールタイプが苦手なのでストレートケーブルのを使っています。しなやかでへんなクセはありません。

(3)2ウェイプラグは便利。
 高級機種ではありますが、ちゃんと2ウェイプラグに対応していました。電子楽器によってはステレオミニプラグでないと接続できないとかありますので便利かと思います。


密閉型ヘッドホン導入のその後

 高音が強調された音作りになっていますが、さまざまな音に囲まれるレコーディングの現場では、周りの音に負けない「明瞭度のある音を伝える」という目的を達成するにはこういう高音が強調された音作りにならざるを得ないのかも知れません。(別の記事で紹介したSony MDR-7506も中高音が強調された音づくりでした)

 ただし、自分はフラットな周波数特性のヘッドホンを求めているので、正直なところ、このヘッドホンは使いづらいです。いちいちグラフィックイコライザを通してまで使う、ということはやらないかと思います。

 EQ調整ができない電子楽器の演奏のモニター用として、あるいはあきらかにこもった音の音源を聞かざるを得ない場合の応急処置としてであれば、使えるのではないかと思いました。

 下位機種のATH-M50xは比較的フラットな周波数特性との噂です。機会があればぜひチェックしたいと思います。

 下記に商品のリンクを貼っておきます。興味のあるかたはご覧になってみてください。