
PCにヘッドホン直挿しはダメだと思う

以前、中国で生活していたことがあります。
その時に日本から持ち込んだのは2台のノートPC。それまで使っていたDTM環境の揃ったデスクトップPCは断捨離してしまい、ミニマムな荷物でしたからオーディオ・インターフェースも無い状態です。
それなりに高級なヘッドホンをノートPCに挿して音楽を聴いていましたが、ハードディスクやメモリにアクセスする際に「ジジジ・・・ピッ」みたいなノイズが乗るんですね。マザーボードに実装されているオーディオ・デバイスなんてオマケ程度で音質など考慮されているわけがありません。
その後、現地でデスクトップPCとオーディオ・インターフェースを購入して事なきを得るわけですが、私には「PCにヘッドホン直挿しはダメだ」という信念が刷り込まれた経験になりました。
スマホはまぁ許せる程度
スマホについては自分が好んで使っていたのはSonyのやつ。Walkmanのアプリが付いています。さすがにPCのようなノイズが乗ることはありません。ただし音質的にはWalkman専用機のほうが上。スマホはイマイチ。あと何よりも電話かかってくると音楽の再生止まるのが不快。電話機ですから当然の設計なわけですが、そういう「割り込みしても平気」な図々しさが嫌でした。携帯電話なんて無かった昔に戻りたい・・・。
PCでオーディオを扱うなら専用のオーディオデバイスを用意すべき
単に音楽を楽しむだけならば、CDを中核としたオーディオ装置あるいはウォークマンがあれば十分かと思います。ただし、選曲して自分だけのソングリストを作ったり、音楽そのものの音質を調整したりなど、「こだわり」を持つようになると、PCを使うのが便利です。
PCを使うようになって特にハマったのは自分専用のCDを作ることでした。音楽を聴くことはCDを再生することと同義でしたから、そのCDを自分で好きなように作ることができることは大変素晴らしいことでした。また、マスタリングをすることで曲毎のレベルや音質のバラツキを揃えることができるようになりました。レコードやFM放送からカセットテープへ録音するだけの時代とは雲泥の差です。
ただし、PCでオーディオを扱うのであれば、専用のオーディオデバイスは必須です。音を聴いて楽しむことはもちろん、音の違いを聞き分けられるだけのオーディオ装置としての基本性能が求められます。
サウンドカードとオーディオ・インターフェースの違い
PCのオーディオデバイスには大きく分けて2つあります。
「サウンドカード」と「オーディオ・インターフェース」です。
サウンドカードは「PCで音を取り扱えるようにする基本的なデバイス」という感じです。特筆すべきほど高音質なものではないです。ゲームのサウンドやボイスチャット/テレワークができればOKといった程度。
オーディオ・インターフェースは「音楽の制作用」で高音質な設計です。プロオーディオ規格のマイクなどを接続して使うことができます。
この他に「DAC」と呼ばれるモノがあります。オーディオ・インターフェースからマイク入力などを取り除いたものですね。「音楽鑑賞用」で結構お高いです。
M-AUDIOからゲロ安なオーディオ・インターフェース
今回ご紹介する「M-TRACK DUO」はジャンル的には「オーディオ・インターフェース」です。
今、品薄みたいで注文してから2ヶ月ぐらい待たされました。
なんで、そんな状態かと言うと、まぁ、コロナで貿易滞っているってのが一番ではありますが、このオーディオ・インターフェース、M-AUDIO製なのにトンデモなく安いからというのがあります。
従来、この価格だとBehringerのUM2という製品の独壇場でした。

この製品は私も以前購入していて、安くても実用的でコスパ良い感じでした。ただしスペック的には第1世代のオーディオ・インターフェース(16bit 48kHzサンプリング)なので、その点だけは価格相応かなと。
庶民の味方のBehringerに競合する製品は皆無でしたが、ついにUM2キラーが登場。
これはぜひにでもチェックしてみないと、というわけで注文した次第です。
このオーディオ・インターフェースの特徴

(1)Podcast、レコーディング、ストリーミングに最適なオーディオインターフェース – オーディオレゾリューション48 kHzでの高解像度レコーディングを実現する USBサウンドカード(Mac/PC)
(2)様々な用途に対応するオーディオインターフェース – ギター/ボーカル/ステレオライン入力のレコーディング用にファンタム電源付きコンボXLR/Line/インストゥルメント入力端子搭載
(3)オーディオモニタリングも簡単 – 1/4インチヘッドホン出力端子/RCA出力端子でモニタリングも簡単。延滞時間無しのモニタリングを可能にするUSB/Directスイッチ搭載
(4)マイクからのレコーディングを最適化 – コンデンサーマイクなどからのレコーディングを最適化するクリスタルプリアンプ内蔵高音質コンボ入力搭載
(5)Podcast作成や音楽制作に役立つ音楽制作ソフトウェア付属 – Pro Tools | First M-Audio Edition、 MPC Beats、Xpand!2、Eleven Lite guitar ampプラグイン、20種類のAVIDエフェクト付属
このオーディオ・インターフェースの厳しい点

(1)電源ランプがない
電源ランプがないので、今使えるのかどうかが見ただけではわからない。音出力されればわかるでしょ、ってことか?ファンタム電源がONになったときにはランプが点灯するけど、マイク使わないのにファンタムONにしとくって変だし・・・
(2)筐体がプラスチック
安っぽくはないけど筐体はプラスチックだった。今、鉄は高いからねぇ・・・。
(3)ソフト類はネットからダウンロードする必要あり
製品の特徴(5)に「ソフトウェア付属」ってあるけど、厳密には付属してない。全部ダウンロードしてインストールする必要があります。
MacはドライバなしでUSB接続すれば勝手に使えるようになるみたいですが、WindowsはM-TRACKはまたUSB接続しないでおいて、先にドライバソフトをダウンロードしてきて、ソフトを先にインストールする必要があります。
また、その他のソフトもダウンロードしようと画面操作を進めていくと英語表示になるので、初心者の人や英語苦手な人は途中で断念するんじゃないかなぁ・・・
Pro Tools Firstはダウンロードはできたけどインストールできなかった。「古いPro Toolsインストールされているよ。それアンイストールしてね」って表示される。自宅のPCにPro Toolsなんて一度もインストールしたことねぇよ!

このオーディオ・インターフェースの便利な点
(1)音質はクセがなく全く問題ない。
メインで使っているDigidesignのやつとの比較では違いは感じられなかった。
スペック的には16bit 48kHzサンプリングと第一世代だが、実用上不満は無い。
(2)ダイレクトモニター機能が便利。
ダイレクトモニター音はステレオ/モノの切り替えができる。
(3)ヘッドホンとMONITORのつまみは連動しない設計。
MONITORつまみがゼロでもヘッドホンつまみだけで音量調節できた。
(4)マイクアンプも十分な音質。
怪しい中華ミキサーのようにGAINを上げていくと急激にホワイトノイズが増幅されて、なんてことはなかったです。
オーディオ・インターフェース導入のその後

安さをトコトン追求ならM-TRACK SOLOを買うべきなんでしょうけども、入力する音源はモノラルだけとは限らないので、2in2out仕様でないと厳しいだろうと判断してDUOを購入しました。
まぁ、それでもアマゾンで5500円程度なら十分安いです。
今後、このDUOは評価用として使っていくつもりです。メインで使っているDigidesignのやつは入出力端子が背面なのでいろいろと面倒くさいです。USBオーディオ・インターフェースの複数台接続でも干渉し合ったりしなかったので、十分実用的かと思います。
先程アマゾン見たら、また入荷待ち状態ですね。安いからなぁ・・・。
このブログでは、「私が気に入ったモノ」だけを紹介しています。気に入らなかったやつはボツとして紹介していません。やはりオーディオ機器で一番重要なことは「音質」だと思うんですよ。「音質さえまとも」なら、多少使い勝手が悪くても許されると私は思います。今後もいろいろなオーディオ機器を紹介していくと思いますが、音質面では実用的以上なモノだけを紹介します。
下記に商品のリンクを貼っておきます。興味のあるかたはご覧になってみてください。